【特別講座】日経テレコン21で始める信用リスクマネージメント

【第3章】経理、営業マンなど、実務における与信管理のイロハ 提供:リスクモンスター株式会社 データ工場工場長代理 三木真志氏

2009/6/15

4. 定量(財務)分析をしましょう

決算書による分析(定量分析)は、なんといっても取引先の経営状態をつかむには最も手っ取り早い手法と言えます。取引先から決算書をもらうのは信頼関係がなければなかなか難しいとも思われますが、新規取引開始時や取引増額時は比較的受け入れられやすいものです。機会をうまく見つけて依頼するようにしましょう。

主な決算書には、財政状態が分かる貸借対照表(B/S)、営業成績が分かる損益計算書(P/L)、現金の動きが分かるキャッシュフロー計算書(C/F)があります。決算書を入手する際は、少なくとも貸借対照表、損益計算書は入手して分析するべきです。

財務分析は、財務比率を計算して行うことが一般的です。
財務比率分析は、決算書の決められた項目を抜き出して計算することで、過去からの推移をみて経営状態が良化しているか悪化しているかということや他社と比較してよい経営をしているか否かなどを容易に分析することができます。

ただし、財務分析に関して、絶対にこの値を超えていたら安全または危険というものはあり得ず、その企業の現在までの推移やその取引・業界特性等を加味する必要があります。そのためにも、決算書は直近1期分のみよりも2期、3期の決算書を入手し、その推移を見て比較することが望ましいと言えます。

また、上手く財務諸表を入手できたとしても、決算書が取引先の経営内容を実体どおり表しているかどうか、つまり粉飾しているかどうかを見抜かなくてはなりません。
取引額が多額の場合や支払遅れなどの問題が発生している場合など、集中して管理を行う必要がある場合は、取引先から資金繰り表を入手して、資金分析をしておく必要もあります。さらに可能であれば、取引先から法人税の税務申告書のコピーを入手し、詳細な分析を行うのも一つの方法です。
この際には、資料を提出すれば取引をしてもらえるのだという気持ちを取引先に持たれないように、毅然とした態度をとることが重要です。

主要な財務比率
主要な財務比率表

※【総借入】=短期借入金+長期借入金+社債(転換社債を含む)+コマーシャルペーパー+割引手形
  (長期借入金と社債は1年以内返済分も含む)

次は・・  定性分析によって分析を補いましょう!

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講座一覧

第1章 最新倒産事例研究
提供:リスクモンスター株式会社
株式会社金融工学研究所
AGS株式会社
1. オリエンタル白石 編
2. 小杉産業 編
3. M加工(仮称) 編
4. ゲートウェイ21 編
5. ニチモ 編
6. N株式会社(仮称) 編
第2章 社内における与信管理のルールづくり
協力:AGS株式会社
1. 基本方針の策定と自社リスクの洗い出し
2. リスク許容範囲の設定と取引先の評価
3. 与信限度額の設定と運用ルールの作成
4. 社内共有と運用開始、メンテナンス
第3章 経理、営業マンなど、実務における与信管理のイロハ
提供:リスクモンスター株式会社
1. 契約相手は誰か?
2. 初期判断の強い味方「商業登記簿」!
3. その他取引先の情報収集をしよう!
4. 定量(財務)分析をしましょう!
5. 定性分析によって分析を補いましょう!
6. 商流の分析
7. 社内承認を取りましょう!
8. 契約を締結する
9. 継続的に管理しましょう!
10. まとめ ― 与信管理強化は販売拡大に結びつく
第4章 信用リスクモデルとは?
提供:株式会社金融工学研究所
1. 信用リスク評価、モデル、倒産確率
2. リスク要因と実績倒産率の傾向について
3. モデルの効用・限界
第5章 これからの信用リスクマネジメント
1. リスクモンスター株式会社
2. AGS株式会社
3.株式会社金融工学研究所

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