ビジネススキルアップ連載 シンプルにまとめる!ストレートに伝える!企画書・提案書作成講座

第5回 ビジュアル化で直感的・具体的にイメージさせる

3. グラフで数値情報の傾向をアピールする

グラフを使うのは、細かい数字を読み取るより、傾向をアピールしたいときです。数値を図にするのがグラフですから、視覚に訴えて直感的に理解してもらうために使う手法です。

グラフを上手に使うには、基本ルールを踏まえて、目的に合ったグラフを選びます。代表的なグラフとして、棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフの基本ルールを確認しましょう。

【棒グラフ】-数量の比較を表現するときに使う

  • グラフタイトル、目盛、軸ラベル、単位、基点、統計の場合のn数など、最低限必要な項目は漏らさず記入する。
  • 基点は原則として「0」とする。
  • 棒の配列は、時系列などの順番がない場合は、原則として左から数値の大きい順に並べる。ただし、「その他」は一番右に配置する。
  • 棒が長すぎる場合(数値の大きさに対して変化が小さい場合、そのままグラフ化すると差が見られないなど)は、軸や棒自体を二重破線で中断してもよい。

【折れ線グラフ】-数量の推移を表現するときに使う

  • グラフタイトル、目盛、軸ラベル、単位、基点、統計の場合のn数など、最低限必要な項目は漏らさず記入する。
  • 基点は「0」が基本だが、数値の傾向を明確にするために変更してもよい。
  • 線が交わっても識別がしやすいように、線の形、線の色、データマーカーの形などを変えて表現する。

【円グラフ】-数量の比率を表現するときに使う

  • グラフタイトル、系列名(または凡例)、パーセンテージ、単位、合計、統計の場合のn数など、最低限必要な項目は漏らさず記入する。
  • 円グラフの基点は、原則として12時の位置とする。
  • 扇形の配列は、時系列などの順番がない場合は、原則として12時の位置から数値の大きい順に時計回りに並べる。ただし、「その他」は、データの大きさにかかわらず原則最後に配置する。

それでは、以下の例で見てみましょう。

経済協力開発機構(OECD)は、65カ国・地域の15歳約51万人を対象に2012年に実施した学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。
PISAは00年から3年ごとに実施、日本からは今回、全国191の高校などの1年生約6400人が参加した。日本のこれまでの順位は、00年は、読解力8位、科学的応用力2位、数学的応用力1位、03年はそれぞれ14位、2位、6位、06年はそれぞれ15位、6位、10位と順位を下げたが、09年はそれぞれ8位、5位、9位と上昇し、今回はさらに順位を上げて、4位、4位、7位となった。

文章で説明されても傾向がよくわかりません。どういう表現が適切でしょうか?

2000年から2012年まで5回分、3つの能力の順位が記載されています。まず、表で整理してみましょう。次のように、文章よりはかなりわかりやすくなります。

さらに、視覚的に傾向をアピールするには、グラフを用います。順位の推移を表現したいので、折れ線グラフが適しています。

このように、目的に合わせて表とグラフを使い分けること、グラフのなかでも最適な種類を選ぶことに注意しましょう。

ところで、皆さんはデジタルカメラやビデオカメラをお持ちですか?

近年の携帯電話をはじめとする各種のモバイル端末の進化によって、デジタルカメラやビデオカメラを持っていなくても、簡単に写真や動画が撮れるようになりました。

資料に写真を盛り込むときのコツとは何でしょうか?

写真を使って具体的に伝える!その秘訣とは…

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