第1回 ストーリーの組み立て方
受け手に理解・納得していただき、行動を起こしてもらうために、企画書・提案書に必要なことは何でしょうか? なんといっても、しっかりとしたストーリー構成です。流れがわかりやすく、結論を導き出す論理展開に無理がなく、納得できる根拠が的確に示されている…そういうストーリーを組み立てることができれば、8割方完成したと言ってもよいでしょう。第1回の講座では、最も大切なストーリー構成の考え方について解説します。
ビジネスにおいて企画書・提案書のストーリーを考えるとき、基本は2つあります。
- 序論 → 本論 → 結論
- What ・ Why ・ How
ビジネス文書は「序論→本論→結論」の流れが一般的です。何を伝えるにも、序論で「今日の話のポイントは何か」「今日の話の結論は何か」先に述べます。それから、本論でストーリーに沿って順に述べ、最後に結論でまとめて念押しします。なぜ、この順番なのでしょうか? 理由は、序論で先にポイントや結論を簡潔に伝えることで、受け手が「今日の話は何を重点的に聞けばよいのか、何を判断すればよいのか」を理解して、話を聞く準備ができるからです。特に、企画書・提案書では、説明を聞いた後で、それを受け入れるかどうか判断してもらうわけですから、どこがポイントで何を判断して欲しいのか、序論でしっかり伝えましょう。
それでは、本論で伝えるべきことは何でしょうか? 情報を抜け漏れなく整理する切り口として、「5W2H」とよく言われますね。When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(何を)、(Why)なぜ、(How)どうやってする(した)のか、How much/many(どのくらい)したのか、という具合です。このなかで、企画書・提案書の内容として特に重要なのは、What、Why、Howです。Whatでは、この企画・提案はどういうものなのか、趣旨を説明します。Whyでは、この企画・提案がなぜ必要なのか、企画の必然性を説明して納得感を高めます。Howでは、この企画・提案をどうやって実現するのか、具体的に説明して実現可能性を示します。この3つを、受け手にとってわかりやすく伝えることが、企画書・提案書作成の成功のカギです。
序論→本論→結論の流れで、What・Why・Howを盛り込むと、以下の構成になります。What・Why・Howを説明する順番は、あくまで基本パターンです。以下ではWhyが先になっていますが、Whatを説明してからWhyでもよいでしょう。