ビジネススキルアップ連載 シンプルにまとめる!ストレートに伝える!企画書・提案書作成講座

第3回 文章表現やレイアウトでロジカルに魅せる

3. デザインを繰り返す

ここまでは、主に1ページのなかでの注意点でしたが、レイアウトを複数ページに渡って揃えると、受け手の理解度をアップする助けになります。同じデザインを繰り返すことで、一定のリズムを作って整理された印象を与え、内容をわかりやすくできます。皆さんも「大事なことは赤い文字で書く」「大事なことは大きな文字で書く」といったルールを決めて文書を作成していませんか?これも、デザインの繰り返しです。全ページ通して「大事なことは赤い文字で書く」というルールを守っていれば、受け手は読み進めるうちに「赤い文字がポイントなんだな」と自然とわかるようになります。デザインの繰り返しによって意識付けされて、ポイントに注目するので早く理解できます。これを上手に使って、相手の意識に働きかけます。

以下の例で見てみましょう。iPhone5S/5Cの市場導入に伴い、国内で販売する3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)の企業概要とiPhone5C価格戦略について、1社1枚で記述して比較しています。

改善前では、3枚のレイアウトはバラバラです。どこにポイントが書いてあるのか、よく読まないとわかりません。比較してみたいときには、役に立たない資料です。

【改善前】

改善後では、記述する項目、レイアウト、図形のデザインなどを全て統一して、デザインの繰り返しテクニックを使っています。デザインが同じなら、1社1枚で記述されていても、比較が簡単にできます。一人で作成するなら統一しやすいのですが、手分けして作成する場合にレイアウト・デザインのバラツキが起きます。面倒でも、分担する前に記述項目やフォーマットをきちんと決めると、統一感のあるわかりやすい資料になります。

【改善後】

この例は、複数ページに渡って構成要素が同じ資料の場合でしたが、構成要素が違っていても「ポイントは同じデザインで同じ位置に記述する」というデザインの繰り返しは十分可能です。どこに注目したらよいか、受け手に迷わせない工夫を考えましょう。デザインの繰り返しにおいて、カラー活用も重要なテクニックですが、これについては次回の講座で詳しくご紹介します。

いかがでしょうか?

第3回は、企画・提案の内容が、ロジカルで整理されている印象を強調し、わかりやすくするための文章表現やレイアウトテクニックを解説しました。次回は、ポイントを強調するためのカラー活用を解説する予定です。モノクロ印刷するケースも想定して、上手なモノクロ資料作成のポイントもご紹介します。

使用した記事

  • レジャー施設--【日経業界地図2013】
    日経業界地図    354 文字
  • USJ売上高、13%増821億円、昨年度。
    2013/04/25 日本経済新聞 地方経済面 京都・滋賀 45ページ 310文字
  • 旅行・レジャー離陸、内外へ選択肢多彩――働く・学ぶ、子供の職業体験盛況。
    2013/01/04 日経MJ(流通新聞) 12ページ 590文字
  • レジャー消費の行方(7)KCJグループ住谷栄之資氏(終)(2013トップに聞く)
    2013/01/21 日経MJ(流通新聞) 11ページ 1311文字
  • NTTドコモ(株)日経会社プロフィル
  • KDDI(株) 日経会社プロフィル
  • ソフトバンク(株) 日経会社プロフィル
  • 「本当にお待たせしました」 ドコモiPhone発売
    2013/09/21 06:30 日本経済新聞電子版セクション 663文字
  • KDDI、新型iPhoneでエリアの広さをアピール
    2013/09/21 06:30 日本経済新聞電子版セクション 891文字
  • ソフトバンク、iPhone販売5年の実績を強調
    2013/09/21 06:30 日本経済新聞電子版セクション 1015文字
  • 新型iPhone発売 携帯3社、販促策で火花
    2013/09/19 20:33 日本経済新聞電子版ニュース 673文字
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10年間のSE部在籍後、人材開発部門へ異動、ソリューション営業力強化T長、人材開発戦略G長を経て、人材開発コンサルタントとして活動中。コミュニケーション力強化、問題発見/課題解決力強化を得意とし、「ビジネスコミュニケーション」「説得できるプレゼンテーション」「ソリューションのための見える化」「ロジカルシンキング」といった人気コースをはじめとして、日経ビジネススクールなど講演多数。民間企業、官公庁、大学、各種教育機関などで幅広く指導。主な著書に、「説得できるプレゼンの鉄則 PowerPoint上級極意編 第二版」*「ロジカルシンキングのための見える化入門」「ミニひと目でわかるPowerPoint2010 ロジカル、ビジュアル、リアルプレゼン50のポイント」「社会人基礎力講座」(以上、日経BP社 )「勝てる企画書」秀和システムがあり、数冊が台湾・韓国でも翻訳出版されている。

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