第4回 カラー&モノクロ活用で理解度を上げる
企画書・提案書の重要なポイントを、受け手にわかりやすく伝えたい!-それを実現するテクニックのひとつにカラー活用があります。ストーリー構成や文章表現のわかりやすさはもちろんですが、視覚に訴えることは直感的な理解を促します。カラー活用は、受け手に与える印象をコントロールし、ポイントを強調し、理解度をアップするために有効です。さらに「配布資料はモノクロ」「ユニバーサルデザインへの配慮」というニーズから、モノクロでも視覚に訴える工夫が求められます。第4回の講座では、カラー&モノクロ活用で理解度を上げるコツをご紹介します。
色を決める要素は、「色相(色合い)」「明度(明るさ)」「彩度(鮮やかさ)」です。この3つのバランスによって、色が与える印象が変化します。
「色相」は、赤、青といった色合いのことです。色相は、大きく分けると「暖色」「寒色」「中間色」があり、名前からもわかるように暖かい印象与えるのが「暖色」、寒い印象与えるのが「寒色」、どちらでもないのが「中間色」です。
以下の例で見てみましょう。
日本の格安航空会社LCC3社について調べた結果を整理した資料です。内容は全く同じですが、暖色系でまとめると活発な印象になり、寒色系でまとめると冷静沈着、ビジネスライクな印象になります。受け手にどちらの印象を与えたいかによって、色相を選ぶという使い方ができます。
「明度(明るさ)」「彩度(鮮やかさ)」は、2つを合わせて「トーン(色調)」と言います。彩度が高い色は、鮮やかで目出つので派手な印象になります。強調したいポイントに使うと効果的です。彩度が低い色は、グレーがかって落ち着いた地味な印象です。最も彩度が低い色は、無彩色(黒・グレー・白)です。明度が高い色は、さわやかさ、軽快さを感じさせ、明度が低い色は、重厚で落ち着いて見えます。
以下の例は、いずれも黄色を基調とした配色ですが、トーンが変わると印象が変わるのがお分かりいただけると思います。フルサービスを提供する一般の航空会社と違って、信頼感よりも、安くて手軽なイメージをアピールしたければ、彩度が高いトーンを選択する場合もあるでしょう。
一般的には、ビジネス向きなのは、彩度・明度ともに中間的なトーンと言われています。落ち着いた印象になるからです。中間的なトーンを中心にまとめて、強調したいポイントに彩度が高い色(派手な色)や明度が低い色(濃い色)を少しだけ使うとよいでしょう。彩度が高い色を多用すると、ケバケバしくなって信頼感を損ねるので注意します。
全体にどういう色相またはトーンを中心にまとめるか決めたら、次に考えるのは「色分け」です。伝えたいメッセージを表現するのに、どの程度の色分けが必要か、考えていますか?