第5回 ビジュアル化で直感的・具体的にイメージさせる
皆さんは、どういうときに表を使いますか?
表が効果的なのは、文字情報や数値情報を比較したいときや、細かい数値情報を読み取ってもらう必要がある場合です。罫線で区切られるので、比較しやすく読み取りやすいのです。数値情報なら、桁を揃えておけば数値の大小もひと目でわかります。また、文字情報を表で整理するメリットは、表のなかでは箇条書きや体言止めを使いやすいので、普通の文章で説明する場合に比べて短文で済む点です。カラー化テクニックを合わせて使えば、さらにわかりやすくなります。
以下の例で見てみましょう。
これは、経済協力開発機構(OECD)が行った学習到達度調査(PISA)の結果に関する情報です。
経済協力開発機構(OECD)は、65カ国・地域の15歳約51万人を対象に2012年に実施した学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。 2012年の世界ランキングは、読解力は1位から順に、上海、香港、シンガポール、日本、韓国、フィンランド、アイルランド、台湾だった。科学的応用力は1位から順に、上海、香港、シンガポール、日本、フィンランド、エストニア、韓国、ベトナムだった。数学的応用力は1位から、上海、シンガポール、香港、台湾、韓国、マカオ、日本、リヒテンシュタインだった。 |
文章で説明されても、どうもピンとこないと思いますが、これを表にすると次のようになります。
読解力、科学的応用力、数学的応用力の、1~8位が比較しやすくなりました。表の基本ルールとして、見出し行や見出し列がはっきりわかるように、区切り線を太くしたり、背景色を付けてデザインを変えています。
さらに、日本の順位がわかりやすいようにするには、そこだけデザインを変えます。 注意深く見なくても、一目瞭然で直感的に理解できます。
日本の順位をアピールするとともに、「いずれの能力も、ベスト3は上海、香港、シンガポールが占めている」というメッセージを伝えたい場合は、色分けを使って強調してもよいでしょう。
このように、伝えたいメッセージによってデザインやカラーを工夫してアピールします。
次に、数値情報をビジュアル化する手法、グラフについて考えてみましょう。 人が作った資料を客観的にみると「そこは棒グラフじゃないだろう…?」「これじゃあ、使い物にならないよ」ということ、案外ありますね。上手に使い分けていますか?