Q. 企業情報の数と深さをどのように追及していく戦略ですか?
情報レコード数については、現在の1億6千万を2012年までに2億5千万まで増やす計画です。米国・インド・中国の情報量を増やして欲しいという顧客の要望に応えて、レコード数を増やしながらさらにカバレッジを広げていくことを目指しています。
米国においては、企業だけでなく団体や専門家に特化した、例えば病院や弁護士についての情報ニーズが高まっています。いわゆるスモールビジネスを対象とした情報であり、今年中に2,200万から3,000万レコードに引き上げたいと考えています。
一方で、TwitterやFacebookなどインターネットにあふれる情報の爆発的拡大もあって、顧客からは「データをどう見たらいいのか分からない」といった声もあります。今後は、顧客が「データを読み取る、活用する」ためのサービス向上が課題です。そのために最新の技術を取り入れ、リアルタイムでデータにアクセスできるようなサービスを提供することを考えています。
Q. 国や地域により企業文化・商習慣が異なるなかでどのように企業評価のバランスを取っているのですか。
200カ国以上で現地法人やパートナー企業(D&Bワールドワイドネットワーク)を通じて情報収集しています。各国で独自の強みを持つパートナーと協力してローカルな条件を加味した地域ごとの企業評価と、国を超えたクロスボーダーの一環した評価基準を用いることで信頼性の高い情報を確保できるのです。日本では東京商工リサーチと協力関係を築いており、2年半前には合弁でダンアンドブラッドストリートTSRを設立しました。
Q. 海外の信用リスク管理において特に最近何に注意を払うべきでしょうか?
グローバル経済において、各国間でもたらす影響は非常に大きくなっています。
「PIIGS」と呼ばれる欧州各国、また米国や日本などGDPと比較して財政赤字が大きい国は注意が必要といえるでしょう。10年前に比べ、先進国の成長は鈍化し、新興国も金融政策では保守的になっていると感じます。
Q. 今後日本の顧客はどのような新しいサービスを期待できますか?
日本でも企業の支払振り情報を収集するDUNTradeに参加する企業が増えました。これにより日本においても将来は※Paydexのような指標が付与され、企業の支払状況の変化をタイムリーに把握できるようになります。
ダンレポートなどを見るだけでは会社全体が抱えるリスクを管理することはできません。リスクをポートフォリオとして管理する分野については、日本の企業はまだ取り組むべき点が多いように感じます。D&Bは、データを活用するツールを提供していくことで、お客様の手助けができると確信しています。
また、顧客企業の情報と我々の情報を統合することで、リスク管理のみならず顧客企業のコンサルティング事業も強化していきたいと考えています。社内の情報を守るためだけではなく、情報をもって顧客企業の利益を上げていく「データを超えたビジネス」を進めます。
The Dun & Bradstreet Corporation | |
本社: | 103 JFK Pkwy. Short Hills, NJ 07078 United States |
Chair, President, and CEO: | Sara S.Mathew |
創業: | 1841年 |
売上高: | 16億8700万米ドル(2009年) |
従業員数: | 5,000名 |
ダンアンドブラッドストリートTSR株式会社 | |
本社: | 東京都千代田区大手町一丁目3-1 JAビル11階 |
代表取締役社長兼CEO: | 近藤 恵理子 |
設立: | 2007年12月 |
資本金: | 6,000万円 |
従業員数: | 120名 |
主要株主: | D&B (60%)、東京商工リサーチ (40%) |
沿革: | 1843年 米国にてダンアンドブラッドストリート(D&B)創業 1892年 商工社(現 株式会社東京商工リサーチ)創業 1989年 D&Bの日本法人としてD&Bジャパン設立 2007年 D&Bと東京商工リサーチの両社出資による新会社、ダンアンドブラッドストリートTSRを設立 |
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