株式会社日中通信社 張一帆氏

株式会社日中通信社
代表取締役  張  一帆  氏

日経テレコン21 コンテンツ紹介・インタビュー

第14回 月刊中国NEWS

インタビューシリーズで政財界の大物が日中を語る(2010/5/11)

「日経テレコン21」が提供する200紙誌を超える収録コンテンツ。提供元のキーパーソンに聞いたコンテンツの特徴を紹介します。今回は、日中通信社が発行する「月刊中国NEWS」。中国新聞社が発行する「中国新聞週刊」の日本版で、中国の政治、経済、社会、文化などに関する特集や、ビジネスマン必読の中国情報、インタビューなどを収録しています。コンテンツの特徴について張一帆編集長に聞きました。(一部敬称略)


Q. 「月刊中国NEWS」はどういう雑誌ですか。

  「月刊中国NEWS」は、中国の国家通信機関である中国新聞社が、中国国内で発行する週刊誌、「中国新聞週刊」を月刊にまとめた日本語版です。中国の雑誌が日本国内で正式流通する初の総合誌となっています。これは中国でも画期的な事業であり、2007年8月1日、中国人民大会堂で創刊記念式が開催され、内外の注目を集めました。

  日本人の多くは、中国のメディアは報道の際、自由がきかないかのように思いがちです。しかし、ここ数年、その状況は大きく変わってきています。本誌では政策や社会の問題点を指摘し、内容によってはかなり踏み込んだ批判記事を掲載しており、かなり深く掘り下げられています。インターネットで情報は瞬時に伝わるようになりましたが、その背景をより深く知ることで、事実関係の全体が見えてくるようになります。今の真実の中国を知るのに欠かせない情報誌であると自負しています。

Q. 「中国新聞週刊」の記事を厳選して「月刊中国NEWS」の誌面を組んでいらっしゃるようですが、日本語版用に記事を選ぶときの基準や編集方針を教えてください。

  まず、もととなる「中国新聞週刊」の記事をすべて読み、日本人が必要とする記事をピックアップするのが最初です。その際、特にビジネスマンが欲する内容を重視しています。もちろん、総合情報誌ですので、芸能や文化なども取り入れバランスの取れたものにしています。

  また、中国語の記事をそのまま訳すだけでは受け入れられない部分があるので、独自の特集、インタビューといった特別な企画や、「NEWS FLASH」「3分間でまる分かり!HOTな中国経済」といったより多くの情報が得られるコーナーを設けるなど工夫しています。目玉となる「中国入門」シリーズは日本の編集部が独自に企画、編集し日本人が知りたい中国の基礎知識を提供しています。

  編集方針としては、翻訳、リライト、校正の3段階で対応することでより読みやすい紙面づくりを心がけています。そのほか、基本精神として、公正な報道によって報道機関としての役割を果たせるよう日々意識しています。

Q. 日本版独自の特集「編集長インタビュー」では、毎号、政治家や大企業のトップが登場していますね。どうようにして選ばれているのですか。

  最初に中国と関係があり、中国の事情に明るいことが条件です。また、大企業のトップが多いですが、その理由はここ数年の日中経済交流の隆盛にあります。日中経済が密接に結びついているからです。

  「編集長インタビュー」という名前が付いていますが、実際にはチームで動いています。相互に意見を出し合うことで、より読者に受け入れられる内容に編集しています。もちろんインタビューする際には質問状を出し、それに沿ってインタビューを進めますが、現場では話の流れによって質問の内容は変化し、それが記事の面白さにつながっているのです。

  記憶に残るインタビューといえば、北澤俊美防衛大臣です。インタビューに行く前は、日本の防衛を担う場所ということで、若干のプレッシャーを感じていましたが、実際は大学のキャンパスのような明るい場所で、大臣自身も非常に紳士的な人なので安心してインタビューができました。内容は敏感な話題が多かったですが、柔らかく丁寧な説明で答えていただけたのが印象に残っています。

  企業に関して言えば、日本企業のトップは中国企業のトップよりも勉強しています。今と将来、現場と上層部の関係をすべて考えており、細かい技術の内容から、グローバルな質問まですべて対応できるのです。また、志があり、企業発展の明確な将来ビジョンを持っています。日本の経済の先行きが不安視されていますが、数々インタビューしてきた経験から言えば、日本の未来は全くもって問題ないと言えるでしょう。蛇足ですが、企業のトップはおおむねお酒が好きです。それも面白いところです。