D&B米国本社 CEOサラ・マシュー氏

米国ダンアンドブラッドストリート CEO
サラ・マシュー 氏

日経テレコン21 コンテンツ紹介・インタビュー

第15回 D&Bグローバルプロファイル

膨大なデータとテクノロジーの融合が生む企業洞察力(2010/7/7)

「日経テレコン21」が提供する200紙誌を超える収録コンテンツ。提供元のキーパーソンに聞いたコンテンツの特徴を紹介します。今回は、全世界の企業情報データベース「D&Bグローバルプロファイル」を作成する米国ダンアンドブラッドストリート(以下D&B)のサラ・マシュー(Sara S.Mathew)CEOにコンテンツの特徴とD&Bのビジネス展開を聞きました。

「D&Bグローバルプロファイル」について

D&Bが世界各国で保有するデータベースにアクセスし、 企業概要、スピーディな信用リスク評価のための情報、ダンレポートがご利用いただけます。ダンレポートの詳細はこちら

※世界150カ国以上の企業に関する信用調査レポート「ダンレポート」は日本国内ではダンアンドブラッドストリートTSR株式会社および株式会社東京商工リサーチが提供します。

Q. 経歴について教えてください。

 8年半前にCFOとしてD&Bに入社しました。今年の1月からCEOを務めています。その前はP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)に18年間在籍していました。D&Bに入社して最初の5、6年は好景気で何事も取り組みやすい環境にあり、リーマンショックの2008年10月をピークに2桁成長が続きました。その後は、世界的な景気後退で収益が悪化しましたが、このような大変な時期に企業の経営を任せられるのは光栄です。

Q. 貴社のビジネスについてご紹介ください。

 D&Bは170年前に創業した、米国においてとりわけ歴史の古い企業のひとつです。企業情報業界で最大規模の企業として、D&Bは全世界1億6千万事業所の企業情報を保有し、お客様のリスク管理や営業支援のソリューションを提供しています。
 D&Bの事業は3つの柱から成ります。最大の事業が「リスクマネジメント」。企業リスクをポートフォリオとして管理します。次が「セールスマーケティング」。同じ企業データを用いながら、自社に最適な顧客を見つけるための、顧客データの統合・活用を支援します。最後が「サプライヤマネジメント」。サプライチェーンにおけるリスクを管理します。
  また、D&Bが開発した世界標準の企業コード※「DUNSナンバー」を用いることで、グローバルレベルの取引先や系列会社のリスク管理をすることが可能になります。今後日本でも強制適用が見込まれる国際会計基準(IFRS)に日本企業が対応する為には、グループ間取引や海外取引を統一したコード体系で管理する必要が出てきますので、弊社の重要性はますます大きな物となってくると思っております。

※DUNSナンバー(ダンズナンバー)について

The Data Universal Numbering System (D-U-N-S) 、DUNS(ダンズ)ナンバーはD&Bが開発した9桁の企業識別コードです。世界200ヶ国超、1億6千万の事業所にDUNSナンバーが付与されています。
  1. 全世界の企業を統一の基準でコード化しています。
  2. 中立機関としてD&Bが独自に付与、管理しています。
  3. 本社、支店、事業所単位で付与しています。
  4. 番号自体に意味を持たせない柔軟なコード体系です。
  5. ファミリーツリーリンケージにより、企業間の系列関係を把握する事が可能です。
  6. 米国政府、国連などの主要機関より採用・推薦されるデファクトスタンダードです。

Q. 最も伸びている事業は?

 「リスクマネジメント」は早くに成長した事業であり、事業全体の3分の2を占めていますが、現在でも最も拡大しています。現在の厳しい経済状況において自社が抱えるリスク、顧客が抱えるリスクがどの程度であるかを知ることが求められています。
  今後は、セールスマーケティングやサプライヤマネジメントもクロスセルを実現して、「情報を集める」から「ビジネスを広めていく」ことにも注力したいと考えています。
 データベースとしては既に立派なものを保有していると自負しています。しかしデータはあくまで基礎であり、テクノロジーが深い洞察を可能にすると考えています。そのため、今年米国でIT基盤を強化するための大きな投資を行いました。テクノロジーを使うことで、データを異なる角度から見ることが可能になります。