日経テレコン21 コンテンツ紹介・インタビュー

Q. 紙の新聞の方は大丈夫でしょうか。韓国の新聞社はどう変わっていくのでしょうか。

  うーん、それはわかりませんが、紙の新聞が世界的に落ち込みつつある状況は共通しており、韓国の新聞も日本の新聞と同様の状況にあります。

  朝鮮日報もいろいろな準備をしています。新聞の使命を再認識して、より正確な情報をより迅速に提供する新聞本来の道を行かなければならないという基本的認識をもっています。その一つとして、様々な分野でスター記者を育成する方針を立てています。料理、囲碁、ゴルフ、本、映画など、各分野でスター記者を育て、その記者の名前のパワーで勝負する、これが一番だろう、と考えています。さらにコラムニストの記事にも署名だけでなく、顔写真の掲載も始めました。有名なコラムニストが育ってきています。朝鮮日報の影響力の強さをもたらしたのは、「社説」と「コラムニスト」の2つのおかげと言っても過言ではありません。

  今後、新聞社もテレビ局をもてるようになります。大きな新聞社はこぞってテレビ放送への参入競争を繰り広げています。朝鮮日報ももちろんテレビ参入を目指しています。

Q. 韓国で大きな話題は何ですか。

  日本人には関心がほとんどないと思われる国内ニュースですが、韓国では「世宗市」問題が大きな議論を呼んでいます。「世宗市」問題とは、ソウルから100キロ以上離れた忠清南道に新たな行政都市を作る構想です。盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権時代に、首都機能の大半を移転する新都市構想として打ち出されましたが、首都分割による効率低下を恐れた李明博(イ・ミョンバク)大統領は方針を変更し、「行政都市」ではなく「企業都市」「科学企業都市」を目指す考えを表明しました。これに対し、国民の間で大きな議論となっています。

Q. 最後に、辛支局長のこれまでの経歴や日本との関わりを教えてください。

  2008年4月に東京支局長として来日しましたから、日本滞在は1年半ほどになります。

  来日する前は、政治部の記者でした。主に政党を担当しました。与党も野党も担当しました。2003年から5年間は「青瓦台(大統領府)」の担当記者でした。当時は盧武鉉大統領でした。

  日本では首相への日々ぶら下がり取材というのがありますが、国民の直接選挙で選ばれる韓国の大統領に毎日会うことはできません。青瓦台は米大統領の取材と同じプール制です。青瓦台の担当記者は各紙1人。大統領に2、3人の記者が代表取材し、その取材結果を他の記者も共有する米国と同じ方式です。

  海外研修で96-97年の1年間、パリに滞在したことはありますが、日本との縁はこれまで特になく、日本語もしゃべれないまま来日して、ひらがなから勉強しました。妻と2人の娘を連れてきましたが、上の娘が日本の小学校に1年間通って友達もでき、私より日本語が上手で、今は日本語をぺらぺらしゃべれるようになりました。

【会社概要】
社名: 株式会社 朝鮮日報日本語版
代表取締役社長: 沈仁淑・方正梧
住所: ソウル市鍾路区新門路1街163  光化門OFFICIA2213
創業: 2005年1月20日
資本金: 7000万ウォン