Q. 主な読者は?
まず、中央・地方を問わず労働行政関係者があります。また、大学の先生が重宝がってくださっています。学生に労働問題関係のレポートを書かせたりする教材として、あちこちから重宝されているようです。それと主要な民間企業の人事・労務関係の方にも読んでいただいています。当機構のモニターになってもらっている企業は100社ぐらいあり、労働組合もほぼ同数モニターを委嘱しています。
Q. フリーター発見に続くような、最近のテーマは何でしょうか。
「非正規」がキーワードだと思います。多角的に非正規の働き方を調査しています。いわゆる「派遣切り」が大きな社会問題となった後ですが、企業は景気が回復すれば、また同様に派遣を活用し、同じ問題を繰り返すのかどうかです。このため、各企業が今後の「雇用ポートフォリオ」をどうしようとしているのか、非正規・正規のバランスをどうするのか、全上場企業を対象にアンケート調査に取りかかっています。派遣から直接雇用への切り替えが果たして全体的なトレンドになるのか、直接雇用と言っても契約社員のような形態が多いでしょうから、その後に正社員登用、正社員転換の制度をもっているかなど、企業がどう活用するつもりか、企業の経営状況が厳しい中、この種の問題を掘り下げて考えようとしているところです。
以上のような企業の対応を調査する一方、個人に対する大規模調査も実施中です。定点観測的調査と言っていますが、「日本人の働き方調査」を仕込んでいます。働く人の属性を網羅的に聞いて、今の日本人の労働者像を浮かび上がらせようという実態調査です。この種のデータはあるようでありません。
国際比較にも力を入れています。調査員が海外動向を調べています。他の組織で海外の制度や事情まで調べているところは案外ありません。若者の失業問題やセーフティ・ネットをどう用意していくかを考えるときに、海外の経験、特に欧州の経験が参考になりますので、海外情報も労働政策の企画・立案には欠かせないものとなります。
Q. 弱点があるとすれば?
弱点は記事が学術的な論文になりがちなことですね。弊誌の記事は学術論文ではありませんから、現実に起きていることをきちんとわかりやすく提供することを求めています。仮説立証型ではなく課題発見型に徹したいと思っていますので、やや学者っぽい論文が出てくれば、リライトを求めています。
組織名: | 独立行政法人労働政策研究・研修機構 |
所在地: | 東京都練馬区上石神井4-8-23 |
設立: | 平成15年10月1日 |
予算: | 34億2,400万円 (うち運営費交付金 31億3,100万円、施設整備費補助金 1億9,300万円) |
理事長: | 稲上 毅 |
常勤職員: | 125名 |
HP: | http://www.jil.go.jp/ |
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