株式会社フィルモア・アドバイザリー
代表取締役 森 航介 氏
第11回 vizooグラフ情報(統計・企業データ)
グラフで世界へ駆ける(2010/2/16)
「日経テレコン21」が提供する200紙誌を超える収録コンテンツ。提供元のキーパーソンに聞いたコンテンツの特徴を紹介します。第11弾は、フィルモア・アドバイザリーが提供する「vizooグラフ情報」。これは、経済・産業統計や企業IR情報から作成したグラフを表示するサービスです。数値情報をビジュアルにご覧いただけるので、データの傾向や特徴が一目で把握できます。コンテンツの特徴について森航介社長に聞きました。(一部敬称略)
Q. フィルモアは、ベンチャー企業ですが、起業に至る経緯は?
2000年に大学を卒業して銀行に入行した後、2004年から2年間、MBAを取る目的で米国のシリコンバレーに留学する機会を得ました。そこで、様々な起業プロジェクトを目にしたり、著名な経営者やベンチャー・キャピタリストと接したりしたことで、起業のダイナミクスに強く惹かれるようになったのです。それが、起業を思い立ったきっかけです。
帰国後間もなく退職し、2006年11月、海外のヘッジファンド向けに、主に日本の中小型株のリサーチを提供する会社を立ち上げました。
Q. その後の道のりは?
ネット上で新しいビジネスモデルを日本から立ち上げたいと考えました。自分の強みである「金融」との接点、まだ世界に存在しないビジネスモデル、ということを考えるうちに、グラフを中核とする「vizoo」というアイデアに行き着きました。幸い、シリコンバレーのベンチャー・キャピタルから出資を受けることもでき、2008年8月に開発を開始、2009年5月にベータ版ができ、12月に正式版をリリースしました。一般の人も使える「無料版」に加えて、機能を強化し有料で提供する「vizoo Pro」、社内データのグラフ化・分析ツール「vizoo Custom」、そして日経テレコン21向けの3つの有料サービスが始まりました。
Q. グラフに着目したのは?
株のリサーチをする中で、リサーチ業務全般にみられる労働集約的・知識集約的な仕事を、webならではのやり方でもっと効率化、一般化できるのではないか、それを実現するための仕掛けが「グラフ」なのではないかと着眼しました。
例えば、株価と景気の関係を表すデータを資料として使いたいと思った時、四半期の年率換算のGDPと、日経平均株価の月次データを探してきて表計算ソフトに取り込み、それらを組み合わせてグラフにすればいいのですが、それだけの知識やスキルのある人はほとんどいません。多くの人が欲しいものを形にできないわけです。
そこで、グラフという形にして検索可能にして提供できれば、一気に潜在的なニーズに応えられるのではないかと考えたのです。作った人ならではのコメントがセットになれば、さらに付加価値は増します。
Q. サービスの内容は?
「vizoo Pro」では、我々が開発したグラフ・ウィザードというweb上のアプリケーションを使って、利用者が簡単にグラフを作成できます。それだけでなく、様々の立場の専門家や利用者にいろいろな切り口でグラフを作ってもらい、その作成物を検索して互いに利用できる、というのがサービスモデルです。もちろん、データは、信頼できるデータ・ベンダーさんと協力関係を築きながら、我々側で用意します。
このサービスが、各種のリサーチや投資、コンサルティング、金融の業務フローに入れれば業務を大幅に効率化できます。金融・コンサル、事業会社のIR向けなどに提供するサービスだと考えています。